実はスゴイ 山形県のくも膜下出血治療
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新庄病院SNS担当です。
今日は日本脳卒中学会で発行している機関誌の1月号に興味深いことが書かれておりましたので蘇副院長監修のもと、ご紹介いたします。
「二次医療圏」という言葉をご存知でしょうか?
これは救急医療や、入院治療が完結するように設定されてある区域で山形県は「村山」「庄内」「置賜」そして「最上」の4つの地域に分かれており
最上地域は新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村の8つの市町村となっています。
しかし現在の日本では少子高齢化と人口減少の影響による地域格差で、この二次医療圏の医療提供体制の見直しが進められています。
2021年1月号の機関誌には2016年の山梨県の例が取り上げられていました。
山梨県の二次医療圏(2016年)は「中北地区」「峡東地区」「峡南地区」「富士・東部地区」となっております。
この中で「くも膜下出血」等といった迅速な診療が必要とされ、極めて命に関わりやすい危険な疾病に対応できる病院はどれくらいかというと
中北地区の3施設にとどまります。
さらに、こちらの画像もご覧ください
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(出典:国際医療福祉大学石川先生https:/public.tableau.com/profile/ishikawa#1)
この図は対応できる施設にたどり着くまでに車でどれくらいの時間がかかるか、を示したマップです。
緑色の地域はおおよそ15~30分以内に到着できる箇所、黄、赤は60分から90分、紫はそれ以上の時間がかかる地域となっています。
くも膜下出血は「診断の遅れが予後の悪化に繋がるため、迅速で的確に専門医による診断と治療が必要」とされている急性期疾患です。
このような背景もあり、ドクターヘリの整備および脳外科専門医の養成を進めるなど安心で迅速な診療を提供できるよう、日々対策が進められています。
さて、例としてご紹介させていただいた山梨県は2016年、二次医療圏での治療完結率が最も低い56.3%となっていました。.
では全国で二次医療圏内での治療完結率が最も高い都道府県はどこなのでしょう。
それは山形県(94.7%)です
(出典:一般社団法人日本脳卒中学会 日本脳卒中学会機関誌Vol43 No.1)
山形県の二次医療圏での治療完結率が高い理由は様々ありますが、その一つに、「くも膜下出血」等に対応できる施設がそれぞれの二次医療圏に分散している」ということがあります。
こちらもご覧ください。
こちらのマップもご覧ください。
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(出典:国際医療福祉大学石川先生https:/public.tableau.com/profile/ishikawa#1)
なんと、ほとんどの地域で60分以内に、くも膜下出血などの急性期診療が必要となる疾病に対応できるのです。
住んでいると意外と気づかない山形のスゴイところを今日はご紹介させていただきました。
山形のくも膜下出血治療はスゴイので安心……とはいえ、かかることがないことが一番の安心ですので、皆様今日も健康にお過ごしください。